現状を見極め無駄のない資本投下をしましょう
「患者動態調査」は自医院のレセプトコンピューターから患者様の頭書きデータ(年齢、性別、保健別、住所地等)を抽出し、来院患者様の住所地を地図上に落とし込み、実際の診療圏を導き出す調査です。
これを分析することで、まだ増患様が見込める地域「重点戦略エリア」と、ほぼ目標とする集患が出来ている地域「目標達成エリア」を見極めることができます。
そして正しい現状把握は、無駄のない効率的な増患対策の第一歩となります。
例えば・・・
A市郊外にて開業したA医院のケースを御紹介します。
開業前に実施した診療圏調査では診療圏を半径1.5Kと仮定し調査しました。結果は、一日外来患者予測数は59人/日と満足の出来る結果となり、その場所での開業を決め実際開業をしました。開業後1年が経過し平均外来数は50人/日と順調に推移していたものの、院長先生はここのところ、新患の伸び悩みに危惧していらっしゃいました。
そこで、この患者動態調査を実施しました。結果は、実質診療圏は半径4K圏であり、開業前に想定していた診療圏より広いエリアから集患できていることが分りました。また重点戦略エリア(人口が多く来院患者のシェア率が低い地域)としてはK市S町・N町であることが判明し、そこには開業前より競合施設と考えられたB医院が位置し、この医院に集患されていることはほぼ予想がつきました。
そこで目標達成エリア(すでに患者様の占拠率の高い地域)の電柱広告の本数を減らすとともに、新たにK市国道沿線への野立て看板を設置し、広告投資の比重をK市へとシフトしていきました。また、同じ内科系のB医院との差別化をはかるため、呼吸器を専門とするA医院はCOPD患者の発掘に注力し戦略を進めていくこととしました。地域新聞への広告と健康相談の掲載、またK市健康相談セミナーの実施を試みました。
このように、現状を把握し分析する事で無駄を無くし、必要なところに重点的に費用や労力をかける事が出来るようになるのです。
また、来院する患者様の年齢構成を分析する事で、より満足いただける院内アメニティを提供することができます。
例えば・・・
年少者の患者様が多い、お子さんを連れた患者様が多い場合。
・キッズルームを設ける
・書籍も絵本や児童書を増やす
・ トイレにはベビーベッドを設置する
・ ベビーカート置き場を確保する。
・院内の自動販売機のに果汁100%ジュースなどを増やす
・お子さんを連れたお母さんの好む雑誌などを増やす
など